【日本じゃばら普及協会】理事長メッセージ

日本じゃばら普及協会理事長 吾妻正章
(インタビュアー :株式会社ラメール藤代千春)

  

【藤代】吾妻理事長がじゃばらに注目されたきっかけを教えて頂けますか?
 
【吾妻】私は若い頃から鼻炎に悩まされておりまして、ある時和歌山県産の「じゃばら果汁」が花粉症に大変良いという評判を聞いて試してみたのがきっかけです。確かに「じゃばら果汁」を飲むと花粉の症状が良くなったのですが、あまりに酸っぱく、効果も持続しないので果汁を凝縮してカプセルにしようと試みたのが始まりです。
しかし、なかなか良い結果が出ず、これが最後の挑戦だと決意して、母校の大阪薬科大学の門を再びくぐりました。
 
【藤代】大阪薬科大学に相談されて「じゃばら」の研究は進みましたか?
 
【吾妻】学生時代の恩師である馬場きみ江名誉教授や谷口雅彦教授の協力を得て、じゃばらの新しい事実が明らかになりました。第一に花粉症に効果のある成分は「ナリルチン」というフラボノイドの一種であること。第二にそのフラボノイドは「果汁」よりも「果皮」の方が約13倍(※1)も多くの量が含まれていること。第三に「じゃばら」の生育状況でその中に含まれるナリルチンの量が大きく違うことがわかりました。
 
 

 
【藤代】そのような大阪薬科大学での研究の結果が2013年の特許取得(※2)に繋がるのですね。特許取得の際は実際に花粉症の方に「じゃばら」を飲んでもらったのですか?
 
【吾妻】「じゃばら果皮粉末」を花粉症の患者30名に飲んでもらいました。症状に応じて重症の方にはナリルチンを多く摂取出来るように多量の粉末を、軽症の方には少量の粉末という具合に1回の飲む量を調整して実施しました。試験の結果、驚くべきことに患者の皆様全員が非常に短期間で症状が改善されました。その結果、「じゃばら果皮粉末」が「抗アレルギー用組成物」として正式に特許を取得することが出来たのです。
 

 
 
【藤代】「じゃばら」が花粉症に効果がある事がよくわかりました。その他のアレルギーにも「じゃばら」は効果があるとお聞きしましたがお教え頂けますか?
 
【吾妻】花粉症もⅠ型アレルギー性疾患の一つです。私どもの研究では、ナリルチンはⅠ型アレルギーの全てに効果があります。例えば、ハウスダストやダニ・カビに由来するアレルギー症状や、サバ・牛乳・卵・小麦などの食品アレルギーにも有効ですし、アトピー性皮膚炎でも症状が改善することが報告されています。また、や黄砂などの大気汚染物質による症状の悪化も抑制することが期待されます。
花粉症もⅠ型アレルギー性疾患の一つです。私どもの研究では、ナリルチンはⅠ型アレルギーの全てに効果があります。例えば、ハウスダストやダニ・カビに由来するアレルギー症状や、サバ・牛乳・卵・小麦などの食品アレルギーにも有効ですし、アトピー性皮膚炎でも症状が改善することが報告されています。また、PM2.5や黄砂などの大気汚染物質による症状の悪化も抑制することが期待されます。
 
また「じゃばら果皮成分」のアレルギー抑制作用に関しては、「日本生薬学会」や「日本薬学会」において学会発表をしております。(※3)
 

<国内学会発表>
(成分研究)
〇日本生薬学会 第57回年会(徳島)(2010年)
 『ジャバラ果実の成長に伴うフラバノン配糖体含量の比較』
〇日本生薬学会 第61回年会(福岡)(2014年)
 『ジャバラ果皮の成分研究』
(生理活性研究)
〇日本生薬学会 第63回年会(富山)(2016年)
 『ジャバラ果皮成分の抗アレルギー・抗炎症活性』
〇第66回 日本薬学会近畿支部総会・大会(2016年)
『ジャバラ果皮成分の生理活性』
〇日本薬学会 第137年会(2017年)(仙台)
 『ジャバラ果皮由来フラボノイド類の抗炎症活性』
〇日本生薬学会 第64回年会(千葉)(2017年)
 『皮膚角化細胞におけるジャバラ果皮成分の抗炎症作用』
〇日本薬学会 第138年会(2018年)(仙台)
 『上皮細胞におけるジャバラ果皮成分のアレルギー誘導抑制作用』
〇日本薬学会 第139年会(2019年)(千葉)
 『柑橘ジャバラ果皮成分による都市大気粉塵誘発性炎症反応の抑制』
〇日本生薬学会 第66回年会(東京)(2019年)
 『柑橘ジャバラ果皮成分による室内塵ダニ誘発性炎症反応の抑制』
○日本薬学会 第140年会(2020年)(京都)
  『種々の浮遊粒子状物質による上皮細胞への炎症誘導と柑橘ジャバラ果皮成分による抑制』

 
 
 

 
【藤代】話は変わりますが、最近テレビや各種メディアなどで「じゃばら」が大きく取り上げられるようになりました。いろいろな種類の商品が登場しているようですが、注意することはありますか?
 
【吾妻】確かに最近は様々な地域の様々な種類の「じゃばら関連商品」が増えているようですね。その点では日本じゃばら普及協会では、先程お話した点を元に下記のような観点を推奨しています。
 

  1. 花粉症に効果のある成分は「ナリルチン」なので、その「ナリルチン」の含有が多いもの。
  2. 「ナリルチン」は果汁よりも果皮の方が約13倍(※1)も多く含まれていることを考慮する。
  3. 「じゃばら」の生育状況でその中に含まれるナリルチンの量が大きく違うため、いつの時期に収穫した「じゃばら」であるかを考慮する。

 
 

 
 
また最近、様々な「じゃばら関連商品」が出てきてきたことから、日本じゃばら普及協会では「協会公認商品」の制度を発足させて頂きました。
 
食の安全という観点から「リモネン」の除去と「残留農薬」に関して重視して制度化をさせて頂きました。「じゃばら」はミカン科の一種ですので、皆さんが柑橘の爽やかな香りと感じるリモネンなどのモノテルペン類が含まれています。しかし、これらの酸化物がアレルギーを誘発することがWHO(世界保険機構)でも指摘(※4)されています。協会では、これらの酸化物の生成を抑えたじゃばら原料の製造方法が、「じゃばら関連商品」にとって非常に大切と考えています。
 
また、もう1つの残留農薬に関しても注意が必要です。じゃばらの生皮ではなく、乾燥果皮のような最終原料の形態で残留農薬の検査をしっかりしている「じゃばら原料」を利用した商品のみ、協会公認商品の認定をさせて頂いています。
 
 

 
【藤代】なるほど、消費者である私達もしっかりとした観点で「じゃばら」商品を選ばないといけないのですね。最後になりますが、理事長から「日本じゃばら普及協会」の今後のあり方についてご提案頂けますか?
 
【吾妻】昨年(2019年)もTBSの人気テレビ番組「名医のTHE太鼓判!」に当協会も取材を受ける等、テレビなどで多数紹介され、「じゃばら」の認知度も高くなってきました。しかし、「じゃばら」の正しい知識が広まっているかと言えば、そうではありません。一部、誤った情報・認識なども紹介されているケースもありました。私どもは、大阪薬科大学等にご協力頂いている研究や学会発表をもとに、正しい「じゃばらの知識」・「じゃばら製品」を普及し、もっと「じゃばら」を発展させていきたいと思っております。
 
是非このホームページをご覧頂き、「じゃばら」の正しい知識を学んで頂けたら幸いです。
本日はありがとうございました。
 
 
【藤代】お忙しい中、わざわざ和歌山からお越しいただき、ありがとうございました。
 
 


 

生薬科学研究室を視察

下の写真は科学技術担当の鶴保庸介元大臣が「じゃばらの果皮粉末」の研究について大阪薬科大学 谷口雅彦教授から説明された時のものです。
 

 

 

<注書き>

1  じゃばら生果皮のナリルチン含有量21.3mgg
   じゃばら生果汁のナリルチン含有量1.6mgg
   (大阪薬科大学生薬化学研究室調べ、生果実での含有比較)
2  特許第5323127号 発明の名称「抗アレルギー用組成物」
3  日本生薬学会2016年会「ジャバラ果皮成分の抗アレルギー・抗炎症活性」
   日本薬学会第139年会「柑橘ジャバラ果皮成分による都市大気粉塵発生炎症反応の抑制」
4  Concise International Chemical Assessment Document